リーマンショックの教訓:破綻は「始まり」に過ぎない

多くの人が誤解しているが、2008年のリーマンショックにおいて、市場はリーマン・ブラザーズが破綻した当日に底を打ったわけではない。
本当の絶望はその後に訪れた。破綻直後こそリバウンドを見せたものの、そこから数ヶ月にわたって「じわじわと、しかし容赦なく」資産価値が削り取られていったのだ。

私が歴史から学ぶべき最も重要な教訓は、「ショックは一瞬ではなく、流動性が枯渇する過程そのものである」ということだ。
そして今、2026年の市場は、あの時と不気味なほど似た、あるいはそれ以上に複雑な「流動性の罠」の入り口に立っている。

2026年夏の嵐:インフレ再燃とFRBの誤算

2026年4月現在、WTI原油価格は100ドルを突破し、米国のCPIは3.5%を超えている。
期待されていた「早期利下げ」というシナリオは、エネルギー価格の高騰によって完全に打ち砕かれた。
中東情勢の緊迫化、特にイランによる「インフレを煽る戦略」は、米国内の金利負担を限界まで高めることに成功している。

AI半導体への期待だけで支えられてきた現在のバリュエーションは、非常に脆い。
インフレ再燃により「金利が下がらない」という現実を突きつけられた時、成長性という幻影は、重力に逆らえなくなった飛行機のように墜落を始めるだろう。
その時期は、早ければ2026年夏(7月〜9月)になると私は予測している。

円キャリーの「死の逆回転」:無差別の投げ売り

今回、リーマン時以上の破壊力を持つ可能性があるのが「円キャリー取引」の巻き戻しだ。
日米の金利差縮小と米国株の下落が重なれば、溜まりに溜まった円キャリーのポジションが一気に解消される。
これは、優良なAI銘柄であっても、あるいは金(ゴールド)であっても、現金化のために「無差別に売られる」事態を招く。

さらに、プライベートクレジットのデフォルト率も3月時点で5.8%まで上昇しており、秋に向けてさらに悪化する予測が出ている。
ヘルスケアやテック系の中堅企業から始まる連鎖倒産は、金融機関の貸し剥がしを誘発し、市場から完全に「余裕」という文字を消し去るだろう。

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#リーマンショック#円キャリー取引#2026年経済予測#市場暴落

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