海賊版コンテンツ販売の裏ビジネスを行う会社

私は、某ネット販売会社(古着)の買い付けを担当していました。

といっても、ごく小さい会社だったので、何から何までひとりでこなして、持ち帰り残業や徹夜は当たり前の生活でした。
そんなストレスフルな生活の中、社長が私に罵声を浴びせたことがきっかけとなり、私はついに切れてしまい出社拒否を始めました。

実はこの会社、古着のネット販売は表向きの顔で、本業は海賊版DVDのネット販売(韓流ドラマや英会話教材)なのでした。

そこで私が考えたのは、その悪事を暴露して仕返しをすることでした。
もちろん、私もその会社の従業員でしたので共犯者扱いを受ける可能性はありますが、いわゆる泥水を被るよりも自分の恨みを晴らしたいという思いが勝ったのです。

まず私がとった行動ですが、弁護士と一緒に警察に行きました。

しかし、警察は「被害届が出てないから事件性がない」とのことで全く相手にされませんでした。
そこで、弁護士は「私に任せてください。あなたに有利に働くような文書を作成して、内容証明として相手に送付します」と言いました。

ところで、冒頭にも言いましたが、その会社はごく小さな会社で、古着部門は何から何まで私がやっていたので、いろいろなものが私の自宅にありました。そのため、私の家のスペアーキーを社長にも渡していました。
ただし、普通には合鍵を作れない特殊な鍵です。

内容証明を送ってから2週間ほど静かな生活が続きました。
社長の性格からして、なんらかのアクションを起こしてくると思っていたので、かなり不気味ではありました。なので、ドアのバーは毎日しっかりしていました。

しかし、ただ一日だけバーをすることを忘れた日がありました。その夜は、次の日が早いこともあって、22時くらいに就寝していました。そして、今でもはっきりと覚えていますが0時30分に土足で家に入ってきた社長に襲われたのです。

そのときの社長はもの凄い怒号を発しながら、まず私の膝を蹴り、胸倉をつかんで揺さぶりました。
その状況下で、意外にも冷静な私がいました。私は「代理人を立ててお話しするのが筋でしょう。警察を呼びますよ」と言いました。社長は「呼べるものだったら、呼んでみろ」と言ったので私は110番をしました。
すると、1分半で警察が次々にやってきて最終的には11人の警察官が集まりました。警察官の一人が私に「被害届を出しますか。
出すなら現行犯逮捕しますが」と言いました。そして、社長は逮捕されました。最初は冷静だった私も、警察官が来たころから腰が砕けてきました。

本当に怖い出来事でしたが、「こんな人間の下から離れてよかった」との思いもあります。しかし、この出来事はトラウマになっていて、今でも0時半になると不思議と目が覚めて動悸がします。もうそろそろ社長が拘置から出てくる頃でとても怖いですが、今回の件の慰謝料のことも含めて弁護士と相談しながら、とことん闘おうと思っています。

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